令和2年 第1号ののあおき通信より
院長のあいさつです。
人生100年への取り組み
新しい年、令和2年がスタートしました。
明けましておめでとうございます。
当院も皆様に支えられて22年が過ぎました。
また自由診療体制に完全移行して10年目を迎えました。
その間、世界では検査や医療技術の進歩がすさまじく、これまでの考え方を根本から変えるくらいのことが起きています。
しかし残念ながら、保険診療体制は旧態依然とした国民健康保険法(昭和33年施行)の考えの基根本的な見直しをされないまま現在に至っており、未だに「健康保険は疾病保険であり、予防では適用しない」となっています。
しかし現在、高齢化や疾病構造の変化に伴い治療と予防、健康管理の境界が不明瞭になりつつあります。
健康の維持を求めて来院する患者様には「明瞭な疾病が認められないから保険診療の対象にならない」となってしまう、これが現実です。保険診療の限界ともいえます。人生60年くらいの頃はこれで良かったのかもしれませんが今や人生100年。
”自分の歯を一生使えるようにする“ためには確実に不十分なのです。
当院では開業当初から保険診療の技術的な進歩と将来の見通しの甘さに矛盾・疑問を感じ、平成22年に保険診療を全て辞退致しました。これによって私たちは完全に予防をベースとした診療体制を作り上げてきました。
最長20年の定期的なメインテナンスで何百人もの方を診させて頂きました。その中で問題が起こったときに、過去の判断がどうだったのか、どうすれば良かったのかということを分析しこれからの治療へフィードバックしてきました。この体制が現在の安定した結果を出せる診療の基本となっています。
現在で最も確信の持てる事実は”全ては予防医療をベースにして治療計画を組み立てなければならない“ということです。
これを裏付ける考え方をご紹介します。
「未病」という新たな健康観です。未病とは人生100年時代の到来に備える新たな健康観を指す新語といえます。人の健康状態はこれまで健康か病気かの2つに区分されそれぞれの区分に応じた処方や指導が行われて来ました。
しかし外傷や感染症でもなければ、人はある日突然に病気を発症するものではありません。長年の生活習慣や遺伝的体質による変化などを経て、症状や兆候が少しずつ顕著化するのです。
つまり健康と病気は一定期間、体内に併設しており両者を連結的なものとして捉える方が現実的なのです。特に中年以降は心身の変化と疾病の緩やかな進行を踏まえながら、その変化や劣化と「闘う」のではなく「共生」していくことを生き方の基本とすべきです。(神奈川県立保健福祉大学理事長 大谷康夫氏 著)
それに加えて日本国民の間では必要以上に医療依存が強い傾向が見られます。健康や予防に至るまで行政や医師が何とかしてくれると言う意識を変えることが人生100年時代の出発点です。
つまり、健康は一人一人の生き方や生き甲斐と表裏をなすものですから、これからは「お上の沙汰」を待つのではなく自分の健康は自分の人生観と捉えて、自分自身で管理・維持する自律的な姿勢が不可欠になります。
当院では以上のような考えを元にして、治療から予防への一連の手順がほぼ完成しました。今年は、人生100年をゴールにした医療体制として、さまざまなご提案をしていきたいと考えています。
こんな歯科医院があったらいいなと思う、素直な気持ちで常に改善していきます。是非ご期待ください。
院長 青木英明